イタリア北東部フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州ウディネ近郊にあるワイナリーです。
アレッサンドロはミラノの大学を卒業後、別の分野で働いていましたが、お祖父さんが所有していた農場を受け継ぐことにし、ロワールやトスカーナの様々なワイナリーでワイン造りを学びました。2017年に奥さんのラヴィニアも加わり、現在は2人でワイン造りをしています。
葡萄畑は海抜90mあり、周囲の土地よりもやや高く、敷地内には森、近くには川が流れており、ひとつの畑の中でも多様なテロワールが存在します。土壌は、砂質、石灰質、粘土質、砂岩質、泥灰土質から複雑に構成されており、いっけん平らに見える畑も場所によって土壌やマイクロクライメートが異なります。それぞれのテロワールに応じて区画を細かく分けて、その区画に合った葡萄品種を栽培しています。さらにそのテロワールを細かく分け、少量づつ醸造をするマイクロ・ヴィーニフィケーションを行なっている。
土地のポテンシャルを理解し、そのテロワールに合った造り方を日々模索しています。様々な試行錯誤の末に生まれたワインには、ヴッラ・ヨブのワインに対する考えが沢山詰まっています。
機知に富んだアレッサンドロとラミディアの、これからが楽しみなワイナリーです。
セパージュ:ピノ・グリジョ
このピノ・グリジョはテロワール(土壌や川や森)ごとに細かく区分けし、小分けに醸造するマイクロ・ヴィーニフィケーションを行なっており、それらをブレンドすることにより、ユニークで複雑な味わいのワインが出来ます。葡萄の樹齢は約20年。セメント槽で軽くマセレーションした後、セメントと古いバリックで熟成しています。ノンフィルター。年間生産本数4100本。亜硫酸塩含有量:50mg/l以下。アプリコットや桃などのニュアンスがあり、コクがあります。色はピーチのような濁りのある色です。
セパージュ:ソヴィニヨン
土壌は泥灰土、粘土、石灰質の混合。樹齢約15年。テロワールごとに区画を細かく分け少量づつ醸造をするマイクロ・ヴィーニフィケーションを行なっています。開放桶で発酵。その後セメントタンクとアカシア、桜の樽で熟成。年間生産本数2100本。亜硫酸塩含有量:32mg/l以下。ノンフィルター。畑にはアルテミシア(ヨモギ属)がたくさん生えており、アルテミシアなどのハーブ、キウイフルーツ、花梨、レモングラスなどのニュアンス。しっかりとした酸、ミネラルが感じられます。魚料理、前菜、パスタ、ブルーチーズ、熟成チーズなどと合います。
セパージュ:フリウラーノ
以前はトカイ呼ばれていたこの土地のシンボルとも言える葡萄。別の名前で呼ぶ事が考えられないという思いから"Untitled"と名付けたフリウラーノ100%のワイン。土壌は泥灰土、粘土、シルトの混合。樹齢約20年。開放桶で7日間マセレーション。その後セメントタンクとアカシアの樽で9ヶ月間熟成し、瓶熟成2ヶ月。年間生産本数2500本。亜硫酸塩含有量:30mg/l以下。ノンフィルター。黄色系のフルーツ、はちみつ、バーブなどのニュアンス。香りは甘いが味わいはドライ。しっかりとした酸、ミネラルが感じられます。魚料理、前菜、パスタ、フレッシュチーズ、白身の肉料理などと合います。
セパージュ:ピノ・グリジョ 80%、マルヴァシア20%
リシック・ブランは、酸化熟成で知られるマルサラ、ジュラ、ロワールのワイナリーを訪ねたあとに、酸化熟成させたワインを作りたいと思い、シェリーの熟成などに使われるソレラシステムを参考に地域に合った独自のスタイルで熟成させました。ヴィンテージは2008年から2015年までのものです。酸化熟成することによりユニークで個性的なワインが生まれました。樹齢は約15年。セメント槽と古樽で熟成後、1年間瓶熟成。ノンフィルター。年間生産本数2000本。亜硫酸塩含有量:50mg/l以下。白い花、アニス、白コショウなどのニュアンス。ドライでミネラルが感じられます。
セパージュ:レフォスコ
この土地で出来るレフォスコはスパイシーさが特徴的でエレガントさがあります。醸造はそのフルーツやスパイスのフレッシュさを残す様に醸造しています。木製開放桶とセメント槽で発酵。大樽と小樽で熟成。ノンフィルター。年間生産本数3300本。亜硫酸塩含有量:30mg/l以下。
醸造工程では亜硫酸塩を使用していないためシリアス名付けています。