Tenuta Lenzini

テヌータ・レンツィーニはトスカーナ北西部ルッカ近郊に24ha 所有する家族経営の農場です。

緩やかなすり鉢状の地形を囲むように葡萄畑が13ha、オリーブ畑が4ha 広がっています。各々のマイクロクライメートを考慮したワイン造りを行なっています。

この地のワイン造りの歴史は古く、15 世紀に初期フランドル派の画家ヤン・ファン・エイクの作品「アルノルフィーニ夫妻の肖像」に描かれている夫妻がこの土地を所有していたとされています。19 世紀初頭にナポレオンの妹がルッカ公国の女公であったことから、歴史的にフランス原産の品種が多く造られています。

 

レンツィーニ家がこの土地でワインをつくるようになったのは、現在当主のベネデッタの祖父フランコ・レンツィーニの時代からです。ベネデッタは大学で農学と醸造学を学び、現在は夫のミケーレと一緒にワイナリーを運営しています。

 

2007 年に第一子が生まれたのを機に、有機農法、次いでビオディナミ農法を取り入れました。始めた当初は収量も激減し、家族からは口も聞いてもらえなかったそうです。次第に葡萄の木も本来の活力を取り戻し、現在では美味しいワインを作るにはビオディナミ農法で育てられた葡萄が必要だと確信しています。化学肥料で育った葡萄は、土の表層に栄養があるため根が浅いのですが、ビオディナミ農法を行っていると、土の中にはたくさんの微生物が生息しており、根は地中深くまで延びルため、ミネラルが豊富なワインが出来ます。

 

また醸造も野生酵母で自然発酵させ、亜硫酸塩の使用を極力少なくしています。ミケーレはワインと対話しながら造るため、出来上がるワインはその時の自身を映し出した様なものだと語っていました。

 

このようにして作られるワインは、生産者とともにそのテロワールの表現あり、ワインは豊かな表情を見せてくれます。