Tiziano Mazzoni

ピエモンテ北部アルト・ピエモンテ(*1)でリーダー的存在となりつつあるティツィアーノ・マッツォーニ(写真左)。

バローロやバルバレスコと比べると比較的知名度の低いゲンメDOCGの地区で、ネッビオーロを中心にワイン造りをしています。

 

人生の大半をレース用の車やボードのエンジンの技術者として過ごしてきましたが、40歳になった時に何かクレージーなことをしたいと思い立ち、葡萄畑を購入しワイン造りに没頭することにしたティツィアーノ。今は息子さんのジル(写真右)と一緒にワイナリーを営んでいます。ジルという名は、もちろんレーシングドライバーだったジル・ヴィルヌーヴにちなんで名付けられました。

 

 

ゲンメはセシア川の左岸、ガッティナーラの対岸に位置し、現在約20のワイナリーがあります。氷河が削られてできた高台がゲンメで、同じアルト・ピエモンテでも火山性土壌のガッティナーラやボーカと比べ、フルーティでボディがしっかりとしたワインが出来ます。

 

マツォーニ家の歴史は14世紀にまで遡ります。ゲンメの東側カヴァリオ・ダゴナで常に農業に従事してきましたが、ティツィアーノのお父さんの代1960年代に初めて農業から離れ、別の仕事をしていました。ただその間も家族で消費する少量のワインは作っていました。

 

ティツィアーノは1999年に1.5ヘクタールの土地をゲンメ地区に購入し、葡萄を高密度に植え直し、収穫量を減らし高品質のワインを作り始めました。

 

受賞歴の一番多いゲンメ・アイ・リヴェッリは、1978年に植えられた約1ヘクタールの畑アイ・リヴェッリでつくられています。

 

ゲンメは一般に長期熟成タイプのネッビオーロなのでで、ティツィアーノにいつが飲み頃か聞いてみたら、笑いながら「開けたときが飲み頃。早く飲んでもその時の美味しさがあるし、熟成させてもその時の美味しさがある。」と話してくれました。

Colline Novaresi Nebbiolo DOC

葡萄畑は平均海抜260m。平均樹齢は17年から37年。10月上旬に収穫。収穫後5〜6日間発酵、その後1年間50%をステンレスタンクで、残りの50%を2〜3回使用した樽で熟成。ガーネット色。スミレやラズベリー、なめし皮などの香り。酸とタンニンのバランスが良くエレガント。トリュフのリゾットや豚肉料理などに合います。

Vino Bianco "Iris"

エルバルーチェは、ピエモンテ北部で作られる土着品種。柑橘類、サフラン、はちみつのニュアンス。熟成に伴い火打石など、さまざまな表情を見せる。爽やかな酸とアルコールのバランスが良い。フレッシュチーズや熟成の若いチーズなどアペリティフや、甲殻類、白身の肉料理と合う。

Colline Novaresi Vespolina DOC

葡萄畑は南西向き、平均標高260m。平均樹齢は16年。葡萄は9月末に手摘みで収穫。5〜6日間発酵。その後6ヶ月間ステンレスタンクで熟成。濃いルビー色。スミレやカシスなどのニュアンス。黒コショウなどのスパイシーさもある。若々しくフレッシュでフルーティ。バーニャカウダ、鶏のグリル、淡水魚料理、カステルマーニョなどの熟成チーズ、リゾットなどと合います。

Ghemme Ai Livelli DOCG

ゲンメはピエモンテ北部を代表する長熟ワイン。標高約280メートルの南西に面している粘土質の単一畑のブドウを使用。樹齢約40年。野生酵母で30〜40日間ステンレスタンクで発酵。18ヶ月間トンノーで熟成、その後オーク大樽で18ヶ月間、6ヶ月間瓶熟成を行う。ガーネット色。バラ、スミレ、ラズベリー、リコリス、シナモンなどのアロマ。酸がきれいでエレガント、細かいタンニンでバランスが良い。肉のグリル、シチューなど。